竜機大戦ドラゴマキア

概要


人口

全体的に、食料は十分な量を生産しており、 人口は増加傾向にある。 しかし、人間の領域の外には危険な生物が徘徊しており、 その狭間では常に戦いが継続しているため、 領域の拡張には多くの犠牲が伴う。 結果として、人口の増加や人類圏の拡大は抑制されている。

また、魔法による治療が可能なため、 医療技術の水準に対して乳幼児の死亡率は低い。 しかし、その分、出生率は低めであり、 バランスは取れている。

ちなみに、 都市の人口は並の都市なら 1000、あるいは 2000~6000 くらいで、 大都市だと 1~2 万人くらい。 更に、大陸西部でも最大の都市リュテスにもなると、 5~15 万人に及ぶ。


食事

大陸西方で最も食されているのは、 小麦、ライ麦などの麦類である。 それ以外にも、 最近は南方の暗黒大陸からもたらされたジャガイモが、 貧しい土地でもよく育つことから栽培量が増えている。

それに加えて、 家畜を飼育したり、野生動物を狩ったりする。 地方では虫も貴重な栄養源の一つである。

調味料は、基本的に塩が使われる。 塩は岩塩や海水などから精製され、十分な量が出回っている。

砂糖は貴重で、 庶民の甘味料としては蜂蜜が日常的に使われる。

その他の香辛料は地方毎に限られた品種しか栽培できないため、 地元以外では高価になりがちである。

食器

食事は、木製の皿に盛られ、 木製のフォークやスプーン、 あるいは素手で食べるのが一般的。 金持ちであれば、これらが銀製品になる。 錫や鉛を使った食器もあるが、 変な味がつくため、 木製を忌避する半端な金持ちくらいしか使わない。

最近はこれに加え、 タツノクタで使われる磁器の皿や箸などが、 一部で出回っている。


技術

医療

薬草を使った内科医療が基本。 特に地方では薬草や祈祷に詳しい人間がいるくらいで、 専門の医者はまずいない。

有名な名医ともなれば簡単な外科手術が行える者もいないわけではないが、 あまり一般的な技術ではない。

ある程度の難病、重症であれば、 魔法による治療を行うのが普通。 つまり、有名な医者ともなれば 治療系の魔術を修めているのが普通ということである。

金属

製鉄技術が普及し、様々な鉄製品が作られるが、 鋼を精製する技術は新しく、 行使できる箇所は限られている。 鋼製の武具などは、結構な高値で取引される。

ミスリルやオリハルコン、 ヒヒイロカネのような伝説的な金属は精製方法が確立されておらず、 古代に作られた遺産か、 一代限りの天才が偶然に作り出した物に頼ることになる。

動力

動力としては、 人力、馬力、牛力など生物の力を利用するのが主流である。 限定的に水力や風力も使用されるが、 蒸気機関などは原則として存在しない。

また、それら自然エネルギーよりも高等とされている動力が魔力であり、 魔力を利用して仕事をする魔動機械が存在する。 魔動機械は燃料として魔石を消費して、動作する。 魔石は化石の多い土地からよく産出され、 太古の生物の器官の化石化したものが、 魔石と呼ばれているのではないかとも言われる。

船は、 大人数の手で漕ぐガレー船、 帆に風を受けて進む帆船、 魔動機械により水を後方に汲み出して進む (スクリューの技術は存在しない) 魔動船がある。

小回りや瞬発力ではガレー船、 持久力や最高速度では帆船が優れる。 魔動船はまだ研究途中であり、 世界中に数えるほどしか存在しない。

基本的に船は内海での運用を前提にしており、 外海に出るには貧弱である。 外海でも活動できる船や船員は限られている。

その他

建築物は石や木材、レンガによって建てられる。

火薬は、 一部では原始的な黒色火薬の製造方法が知られている。 しかし、魔法の使い手を調達する方が手っ取り早いため、 実践的な技術はあまり研究されていない。

磁石が常に一定の方向を指すことが知られており、 旅の者は磁石によって方向を知るのが一般的である。


軍事

一般的な武装

一般的な兵士たちは、革や鉄製の鎧を身に纏い、 剣や槍、弓などで武装する。 訓練した馬に乗って戦う騎兵もいるが、 馬は飼育に金や手間がかかるため、 騎兵の数や分布は限定される。

魔法も戦場においては重要な戦力足り得るが、 魔法に対する温度は地域によって違いがあり、 そのため軍の魔法兵に対する扱いや用意できる質と量は、 地域差が激しい。 また同時に、 地方によって普及している魔法の形態や内容にも差があり、 当然それは軍にも影響を及ぼす。

騎士

国に仕える職業軍人には、 騎士と呼称される者がいる。 この騎士という呼び方には、2つのパターンがある。

1つは、仕官に対する呼称。 これは決まりとして騎士の名を授けられている場合もあれば、 単に慣習としてそう呼ばれている場合もある。 この場合、騎士という呼び名に特別な意味があるわけではなく、 一種の尊称のようなものになる。

もう1つは、 組織として騎士という称号を用意している場合である。 例えば、 カーディックの赤竜騎士団や ヘクサウァの魔法騎士団に所属している者は、 他からは敬意を持って騎士と呼ばれる。 他にも、 功績を上げた者に対して名誉として騎士の名が授けられることもある。

傭兵

軍隊は維持に金がかかるため、 常備軍はあくまでも最低限に抑える必要がある。 そこで、多くの国が軍事費の節減のために利用するのが、 傭兵である。

傭兵は金銭で国に雇われて、戦いに従事する。 常に維持する必要のある常備軍と違って 一時的な出費で軍勢を揃えることができるため、 結果的に軍事費が抑えられるわけである。

軍における傭兵のウェイトは、 国によって異なる。 例えば、 精鋭の正規兵に対して傭兵は補助程度にしか思っていない、 強力な軍事国家もあれば、 常備軍をほとんど持たず、 軍備を傭兵に依存する商業国家もあるのだ。

傭兵は戦争を飯の種にしているプロであるが、 戦争のないときや正当な報酬の支払いがされなかったときなどは、 野盗や山賊の類になることも珍しくない。


野獣・魔獣

人間の領域、都市や集落、街道筋に危険な獣が入り込むことはほとんどない。 しかし、一歩そこから足を踏み出せば、人の力の及ばぬ魔境が広がっている。

野獣だの魔獣だのといった呼称は人が危険な野の生き物に対して勝手に名付けただけであり、 特別な差異は存在しない。 彼らは人手の及ばぬ地で生活し、 弱肉強食の世界において食物連鎖の上位種として君臨する。

一般人が普通に生活している分には、脅威を感じる機会は多くない。 しかし何らかの理由、 犯罪がらみやあるいは単に人間の領域を広げるために山野に入り込んだとき、 その者たちに向かって容赦なく牙をむく。 また、多くはないにしても何らかの偶発的な理由により、 人里に降りて力を振るうこともある。

こうした獣の脅威に対抗するために、 町は柵や城壁で覆われ、 また戦う人間が守りについているのが普通である。 また、こうした事情から、 邪魔な生き物を駆除することや貴重な生物を狩ることを生業とする、 モンスターハンターと呼ばれる者もいる。

ただし、人間と獣の利害は常に対立しているとは限らない。 例えば竜ほどの知性がある相手ならば、 贈り物をしたり契約を結んだりすることで、 一部権利を貰い受けることもある。


遺跡

大陸西部はかつて、 古代ドラゴニア帝国の勢力圏内にあり、 今でも各地には、 当時の都市や建築物が遺跡の形で残されている。

古代ドラゴニア帝国が保有していた技術は今より格段に高く、 それによる建築物の規模や質は常識外れですらある。

例えば、各地の都市を幾重にも結ぶ街道。 現在は磨耗しているものの表面は驚くほど平らであり、水はけもいい。 幅は広く、全力疾走する馬車が何台も同時にすれ違うことができるほどだ。 可能な限り直線に敷設され、山の中央を貫くもの、大河を真っ直ぐ渡るものすらある。

例えば、街道とは別に存在する不思議な道。 人が通るにも上手が通るにも不向きなそれは、高額な素材と高度な技術で作られていた。 今では使い道がさっぱりわかっていない上に、 素材目当てに分解されて持ち去られてしまい、跡しか残っていない地も多い。

例えば、天を突くような巨塔。 ほとんどが取り壊され、現存するものは僅かだが、 一部の放棄された都市には、今もなの崩れかけた塔が幾本も立ち並ぶ。 かつては夜でも昼のように明るく、大勢の人が居住していたという。

 

これら想像を絶する建造物の源泉には、 古代ドラゴニア帝国には発達した魔動工学が存在したことが挙げられる。 数々の優れた魔動機械によりこれら建造物は作られ、あるいはこれらの建造物すらもその一部だったとも言われる。

さすがに現代で発見されるほとんどの魔動機械は壊れ、 構造を解析することもままならないが、 時折、非常に状態のいい魔動機械が発掘されることがある。 それらを解析することは魔動工学の発展に大きく寄与し、 国策として発掘を推進している地方もある。

また、本当に稀な例として、 ほぼ完動状態の魔動機械が発見されることもあるという。 そうやって発見された当時の危険な兵器が、 どこかに存在するという噂もまことしやかに囁かれている。