宗教
「祈りなさい、主はすべてをご存知です」
エール教の常套句
エール教
大陸西部の広域で信仰されている、 世界最大規模の宗教。 1000年ほど前に、 教祖ハリストスが広めたのが始まり。
万能の唯一神を崇め、 他の宗教を認めない強い排他性を持つ。
教会
エール教の信者たちは、 宗教的活動を行うための 教会と呼ばれる組織を作っている。
教会は教皇を頂点としたピラミッド型の構造をしており、 教皇の下には地域毎に分割した教区を統括する司教、 司教の下には教区内の各拠点の主として活動を行う司祭などがいる。
エール教は規模が大きいだけに影響力が強く、 教会は下手な国よも強い権力を持っている。
勢力圏
エール教の勢力範囲は広く、 レムラ共和国の教皇領を中心に、 東西はカスティーリャ王国からヘラス地方まで、 北はゴール王国にノイエ・ドラゴニア帝国、 それにカーディック王国にまで及ぶ。
しかし広いだけに末端の方では歪みも大きく、 そもそも布教の過程で土着の宗教の風習や儀式を取り込んだために、 地方地方によって独特の教義が存在していたりする。
聖騎士団
教会は、聖騎士団と名づけられた独自の軍事力を抱えている。 非常に金の掛かる軍事力を独自に保有できることが、 教会の力の大きさを表しているとも言えよう。
聖騎士団の団員は同時に聖職者でもあり、 結婚が許されないなど戒律に縛られる。 それだけに入団希望者には熱心な信者が多く、 潤沢な資金も相まって士気・練度・装備に優れる。
また聖騎士団は、 対魔獣を専門とするゲオルギウス騎士団や、 対テロを専門とするグレゴリウス騎士団など、 専門別に幾つかに分かれている。
拝竜教
エール教で悪魔とされる竜を崇拝する。 彼らの集まりは、拝竜教団と称される。
教義と信者
拝竜教が拝むのは、竜である。 それも、エール教団によって悪魔と認定された状態の竜である。
つまりは拝竜教とは単独で存在できる宗教ではなく、 エール教に反発することで存在意義を保つ、 その存在をエール教に依存した宗教である。
拝竜教に入信する者は、 往々にして社会に不満を持つ。 自身が恵まれていないと感じ それを覆すに足るだけの力を持たない者、 あるいは自身の境遇が本来あるべき姿より 不当に貶められていると感じる者なのが、 現在の秩序を肯定するエール教に反発し、 悪竜崇拝に走るのだ。
彼らはしばしば富裕層や権力者、 あるいはエール教関係者にテロ行為を働くため、 一般的には危険な犯罪集団として忌避される。
黒竜と竜人
彼らが最も重要視するのは、 エール教の聖書に登場する黒竜である。 彼らは聖書にあるとおりに黒竜が蘇ること、 そして黒竜の力により既成の権威は滅ぼされ、 それに自分たちが取って代わる日を夢見ている。
彼らの教義では、 黒竜とは竜人として世に生まれてくるらしい。 そのため、拝竜教団は竜人を見つけしだい保護すべく、 国をまたがってネットワークを張り巡らせている。
噂では、そうして保護された竜人が 生き神として祭られているとの話もある。
その他
エール教の力が及ばぬ地では、 未だ古くからの信仰が残されている。
エリンでは牧歌的な神々が信仰される。 深い森の中にいる意思持つ樹木は貴ばれ、 妖精も身近なものとして言い伝えられる。
ノルドでは戦闘的な厳しい神々が信仰される。 戦士には戦場で死した魂を運ぶ戦乙女の話が伝えられ、 彼らに死をも恐れぬ勇気を与えるという。
また詳細は未確認だが、 タツノクタでは万物に神が宿るという独特な信仰が存在するらしい。
宗教研究家イストール著『神とその宗教』より抜粋