竜機大戦ドラゴマキア

悪魔

「病気などではない、奴らは次元の彼方からやってくる侵略者なんだ!」

“狂人”シェルーブの叫び


異形化

悪魔とは、 異形化した生物に対する俗称である。 あるいは異形化のことを、 悪魔現象と呼ぶこともある。

異形化は致命的な病であり、 感染・発症した人間は身体が変異し続け、 死に至る。 人間以外にも、虫や植物を含む様々な生物に感染する。


身体の変異

異形化が発症すると、 身体の変異が始まる。 変異の仕方は個々により差が大きく、 法則や統一性は全く感じられない。

例を挙げると、 皮膚の角質化や角状の突起の形成、 あるいは皮膚の軟質化と筋肉の崩壊、 一部の歯が牙のように鋭くなる、 あるいは歯が消滅する、 目や口、鼻、耳、手足などの器官が増減する、 未知の器官が生まれ聞こえない音を発したり 見えない光を感知したりする、 などなどキリがない。

ある程度まで症状の進行した患者は、 生ける混沌とでも形容したくなる、 名状し難き様相を取る。

身体の変異は患者の体力を大量に奪うため、 普通はある程度の変異が進行した時点で死にいたる。 稀に、体中に変異が及ぶまで行き続ける患者もいるが、 変容した体は生きられる体裁を持っておらず、 やはり死に至る。


伝染性

異形化は、伝染病の一種とされる。 つまり、伝染性があるのだ。

一人が異形化を発症すると周囲のものにも感染し、 放置しておくと再現なく広がるため、 発見したら隔離し、遺体や遺物は焼却するのが正しい。

手遅れになると村や町ならすっぽり覆ってしまう程の広範囲に広がり、 大変な被害者を出すことになる。 過去最大の被害では、 流行の途中で天使によって町ごと焼き尽くされてしまった。 それがなかった場合、どの程度まで広がったかは不明である。


変異生物

これは、あくまで伝説上のことであり、 噂や俗説の域を出ない。 と、前置きをしてから変異生物について語ることにする。

前述のように、 異形化した患者はまず間違いなく死亡する。 しかし、これには例外があるという説もある。 それが、伝説にある変異生物、悪魔である。 (異形化した患者は俗に悪魔と呼ばれるが、 ここではそれとは区別する)

異形化により、 この世界のあらゆる生物とは違う物になった後、 生き延びる能力を持ち続けたのが、悪魔である。 もしそんなものが存在したならば、 それはきっと見るもおぞましい姿をしていることだろう。

今まで、悪魔が確認されたという確かな情報はない。 しかし、極めて低確率ではあるが、 理論上は存在しないとも言い切れない。 ひょっとしたら、 我々が見知ってる生物が実は悪魔の子孫だった…などということも、 あり得るのだろうか。


悪魔研究家イストール著『悪魔現象』より抜粋