竜機大戦ドラゴマキア

種族

各地には様々な種族が分布している。 かつては極端な異相や特異な能力を持った種族も少なくなかったと言われるが、 時代が下るに連れて外見は似通ってきて、あまり突飛な能力を見かけることも少なくなった。

意思疎通、ならびに生殖可能な者たちをまとめて人間、あるいは人類と呼ぶが、 そうであるが故に争いや交流を繰り返すうちに血が混ざり、平均化が進行しているのだ。 とりわけ人の行き来の激しい中央に近い地域では、ヒューマン人を始めとする交雑種が大勢を占めている。

一方で、辺境に行くほど本来の特性を維持する割合が高くなっていき、 場所によっては原種に近い姿を見ることもあるという。


ニューマン人

大陸西部で最も数の多い種族。 マルク大帝が大国家ゴール王国を建国したことにより、 そこに多くの人間が集まり定着した交雑種。

主要な血筋はエルフ人にドワーフ人、ヒューマン人あたり。 ヒューマン人からして交雑種であり、敢えて分けるほどの差異はないとする向きもある。

地域や個人によって多種族の血の濃さが異なるため差があるが、 成人男性の身長がおおよそ170~180[cm] ほど、 女性はその -10[cm] ほどで、 髪は黒、茶、赤、金、 瞳は黒、茶、緑、青と多様。

現ゴール王国を中心に、 西はカーディック王国やカスティーリャ王国、 東はノイエ・ドラゴニア帝国、 南はレムラ共和国と広く分布する。


エルフ人

かつて大陸西部に、 一大勢力として存在していた種族。 やや細身の体と尖った耳、薄い色素が特徴。

成人男性の身長が 180[cm] 前後、 女性が 170[cm] 前後と長身。 ただしその身長に比して、体重は軽い傾向にある。

他種族と比べて金髪や碧眼の持ち主が多い他、 時折、緑髪や銀髪、金の瞳などの珍しい色も見られる。 また、森の中で狩猟をして生活するのに都合の良い、 先天的に夜目の効く者も多い。

気質的にはプライドが高く、 自己の理想も高く持ちがちで、 個人主義が強い。 感情に左右されるよりも、 理性的な行動こそを是とする風習があり、 弁が立つ。

古くはゴール王国以西に広く分布していたが、 今では純粋なエルフ人は、 エリン以外では希少となっている。


ドワーフ人

かつてはエルフ人たちから見て東方に、 エルフ人と並ぶ一大勢力として存在していた種族。 逞しい肉体と濃い体毛が特徴。

身長はニューマン人と大差ないが、 筋肉質でがっしりとした肉体をしている。 体毛が濃く、 色は黒茶から赤などエルフ人よりも暗めが多い。

一般的には神経質で完璧主義、 頑固で偏屈とされ、 事実それを体現するかのような優秀な職人も多い。 その他、 感情や情動を重んじるが、 その反面、 規則正しく集団に忠実な傾向がある。 また、大変な酒好きでも知られる。

激しい感情を持つせいか時折、 意識的に激昂することで痛覚をシャットアウトできる者 もいるという。

ノイエ・ドラゴニア帝国では混血が進んでいるが、 北方のノルド地方では、 未だ多くのドワーフ人が昔ながらの生活をしている。


ヒューマン人

レムラ共和国にのみ存在する種族。 ニューマン人に比べるとやや背が低く 成人男性で 170[cm] 前後、 髪や瞳の色も暗色に偏るが、 それ以外に特に差はない。

陽気でお祭り好きだが、 堅実で現実的な物の見方を好む。 芸術方面は苦手。

かつて隆盛を誇ったドラゴニア帝国で成立した種であり、 ニューマン人に比べると発生が随分と昔になる。 そのため、自分たちは複数の種族の混血として生まれたニューマン人とは違う、 オリジナルにあたる種族であると信じる者もいるという。


ギル人

水での活動を得意とする、 カスティーリャの先住種族。 かつては海で生活していたのではないかと言われ、 手足の指の間に薄い皮膜の痕跡が、 首筋にエラの痕跡が残っている。

現地の伝説では、 水中で魚のように活動する英雄の話などもある。 そこまで行かずとも、 海辺の生活者だけあって水泳が得意な者は多い。

現在では、 カスティーリャ王国の南西部の海岸線沿いに 見られるのみとなっている。


有角人ホーンド

古くは優れた文明と文化を誇った、 ヘラス地方に住む種族。 額に生えた小さな角が特徴。

成人男性の身長が 180[cm] 前後と大柄でかつ、 引き締まった筋肉を持ち、 その肉体美はしばしば (とりわけ当人たちの手によって) 芸術の対象となる。 中にはこの肉体を変異させ、 一時的に運動能力を向上させることができる者もいる。

額には 1~2 本の小さな角が生えているが、 特に何かの役に立つということはない。 この角が、有角人ホーンドという呼び名の由来でもある。

哲学などの思索や、芸術を好む性向があることでも知られる。


ジン人

有角人の居るヘラス地方より更に東に住む種族。 大陸西部ではあまり馴染みがないが、 東方の反物や香辛料などを持ち込むジン人の商人なら見かけることがある。

釣りあがった目や尖った耳はエルフ人に似ているが、 色黒で男性は逞しく女性は豊満と、 むしろ有角人に近い。

現地においては、大国家を中心に強い勢力を持つ種族らしい。


トロール人

ノイエ・ドラゴニア帝国やノルド地方の更に東にある極寒の地に住む、 巨人族。 成人男性の平均身長は 190[cm] にも及び、 2[m] を越える者も珍しくない。 また怪我の治りが早い者も多い。

見た目に違わぬ怪力で気性は荒いが、 大らかで朴訥な面もある。 ドワーフ人以上の酒好き。


天人ヘブンリィ

ヘクサウァ王国のある山中に住む古い種族。 全体的に少し華奢な傾向にある他、 服を脱ぐと背中に退化した翼の跡が見られる。

かつては大きな翼で空を自在に舞っていたが、 今の退化した翼ではほとんど役に立たない。 ただ、ときおり先祖返りで大きな翼を持つ者が生まれることもあるという。

長い間、閉ざされた環境で暮らしてきたせいか、 気位が高く閉鎖的で、警戒心が強い。

※エルダーと差し替え


黒髪の民ベラックヘアーズ

近年、西方より海を越えてやって来た小人族。 老若男女そろって真っ黒な頭髪をしていることから、 黒髪の民と呼ばれるようになった。

平均身長は成人男子で 160[cm] ほどと小柄。 それだけに非力だが、その分、身軽さと器用さに優れる。

生真面目で几帳面、体面を重んじる他、 狡猾であるとの評判もある。

どうもはるか西方で発生した交雑種にあたるらしく、 彼らの住む島には風変わりな希少種も幾らかいるという。


竜人ドラゴニア

竜の血を引くという伝説の種族。

先祖返り的に生まれ、 見た目は両親の種族と変わらないとも、 体の一部に変異 (爬虫類のような瞳、鱗状の皮膚、鋭い牙・爪など) が生じるとも言われる。


獣人

南方の海を隔てた暗黒大陸に住む種族。 獣と人の相の子とも言われ、 動物と人間が混じったような奇妙な姿をしている。

獣人と一括りで呼ばれるものの、 その内実は部族により全く異なる。 例えば、 背に一対の翼の生えた鳥族、 犬のような頭部と嗅覚を持った犬族 (あるいは狼族)、 猫のような頭部と身軽な身体を持った猫族など。

交流のある海沿いの地方ではまだ人間に近いが、 奥地に行くに従い動物に近い姿をした部族が闊歩しているという伝説もある。 一説によると、暗黒大陸では大規模な国家組織が生まれたことがなく、 未だ原種に近い種族が珍しくもないのではとも言われる。