R-Gear
- レリック
2004/01/10
- 概容
- 外見
全長 20m 程度の人型(一部例外あり)をした、巨大ロボット。
基本的にはそれだけである。
しかし、注意力のある者なら、
その機構的な特異性や不合理な材質に気付くかもしれない。
レリックは、通常の機械が動作するための機構を、
ほとんど持ち合わせていない。
関節部はギアで構成されているが、
それは必ずしも中枢まで連結していない。
また、頭部を初めとしていたるところに空洞が見られる。
他にも、
装甲版を除けば最新の優秀な素材が使われていることはむしろまれで、
屑鉄やアルミ、時には木が使われていることさえある。
場合によっては、装甲版にすらそれら低質の素材を利用したり、
そもそも装甲版のない機体もあったりする。
このような常識外れの構造が許されるのは、
そもそもレリックの動作原理からして、
従来の機械工学が全く通用しない、
極めて非常識な代物であるためである。
- 基本構造
レリックには、一切の動力機関は積まれていない。
レリックの動力、それは人間である。
より正確には、搭乗者の持つレリック能力というべきか。
単体ではただのガラクタに過ぎないレリックだが、
レリック使いが搭乗した瞬間、それは呼吸を始める。
搭乗者の身体から発せられたレリックパワーは、
各部の空洞を通して全身に運ばれる。
そう、レリックにとって搭乗者は心臓であり、
レリックパワーは血に当たる。
そうして、レリック使いという心臓を得たレリックは、
あたかも一個の生物かのごとく動き始めるのだ。
- 性能
レリックパワーによって動き出したレリックの出力は、
そのサイズに対して異常に大きい。
戦闘機に匹敵する高機動を持ちながら、
戦艦の主砲クラスのランチャーを平然と運用できるのだ。
その上、レリックガードと呼ばれるバリアを展開し、
ノズルや体の継ぎ目からレリックパワーを噴出して空まで飛べる。
レリックガードは水や空気も難なく押しのけ、
空中や水中での行動もほとんど阻害されることがない。
コクピットの気密さえしっかりしていれば、
宇宙だろうが深海だろうが全く問題ない。
これだけの驚異的な汎用性と高い戦闘力を持ちながら、
動力機関という最もコストのかさむ装置と無縁でいられるために、
単価が非常に安い。
唯一の欠点は、レリック使いという特殊能力者によってのみ操縦されることと、
性能が搭乗者の能力によって大きく左右されることだろう。
しかし、それでも十分に利用価値の高いこの兵器は、
各国の軍隊で重要視され、戦場の主役として活躍している。
また、その特性から、民間や個人レベルでも、
結構な数の機体が確認されているという。
- レリックギア
レリックはまた、静かな兵器としても知られている。
一切の動力機関を持たないが故に、音の発生源が極めて少ないのだ。
レリックガードを張れば、空を飛んでも風を切る音すらしない。
近くを高速ですれ違ったところで、
するのは駆動装置の軋むかすかな音だけ。
熟練の一般兵士たちは、
この音を 「レリックギア」 と呼び、恐怖している。
なにしろ、遠くに何かいる、と思ったら、
次の瞬間にはレリックの巨大な姿が頭上にそびえるのを目にすることになるのだから。
- 構造
- 動作原理
実のところ、レリックの動作原理は、全くといっていいほど分かっていない。
では、どうやってレリックの設計は行われているのか。
それは、経験則である。
どうやって動いているのかは、まるでわからない。
しかし、どのようにすれば動くかは、
長年の研究によってかなりのパターンが発見されているのだ。
骨格と駆動装置、空洞、それに操縦席。
これらの組み合わせと配列によって、レリックは成り立つ。
搭乗者も含めて全てのパーツが正しい位置に配置され、
初めてレリックは動き出す。
観測する手段があるならば、
そのとき左胸の位置にある、レリック使いを内包したクリサリスから、
レリックパワーが血液のように全身に送られるのを確認できるだろう。
- クリサリス
レリックの操縦席として、最もよく使われる機構がこのクリサリスである。
クリサリスは単体で完結した構造を持ち、
レリックとは無関係に機能し得る、
本来は汎用コクピットとして開発されたものである。
その主機能を端的に挙げると、
「搭乗者の生命維持」と「搭乗者と兵器の仲介」である。
クリサリスは真空中の 0気圧から、深海の水圧にも耐える強固な気密性と、
搭乗者の呼気や排泄物から酸素や食料を再生産する機能を持ち、
動力の続く限り搭乗者は内部で生き続けることができる。
しかも、レリック用に特別に作られるクリサリスは
レリックパワーを動力として動くため、
理論上は永遠に搭乗し続けることが可能となっている。
また、通常品には様々な兵器に対して操縦を共通化するデバイスとしての機能があるのだが、
レリック用では少しばかり話が違う。
レリックにおいては、種々のパネルも操縦桿もダミーに過ぎない。
本当は機体内を駆け巡るレリックパワーを制御するだけで、
レリックは自在に動くことが出来る。
しかし、脳内だけでイメージすることは困難な作業であるため、
それを補助するための装置として、操縦桿などが付いているのだ。
- フレーム
レリックのフレームは、レリックパワーをよく流し、
それを動力として駆動装置 (ギア)
を介してトルクに変換することが必要である。
そしてそのための理論は、経験則によって成り立っている。
一見したところ、様々な材質や部品が複雑に入り乱れ、
不条理な、違和感を感じる構成となっている。
しかし、レリックパワーが空洞を満たしたとき、
ギアを介在して、機体は生き物のように滑らかに動き出すのだ。
- 頭部の空洞
経験則による法則の中でも最も有名なものに、頭部の空洞がある。
レリックの頭部は、内部に大きな空洞を持っている。
そうすることによって、
そこにレリックパワーが収束し、制御しやすくなるからだ。
当然、原因は不明なのだが、これにまつわる現象が報告されている。
それは、「レリックの目」だ。
レリックパワーが満ち、頭部の空洞内にレリックパワーが収束したとき、
そこに目のような物が浮かび上がるのだ。
これは非常に生物的な雰囲気を纏っており、
レリックの神秘性に拍車をかけている。
ちなみに、この現象についての映像が、
原作「レリックギア」のイラストを描かれていた T-TA 氏の HP に存在しているから、
見に行ってみるのもいいだろう。
頭部の空洞と浮かび上がる目の映像 (直リンク)
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