ルールの追加・修正・解説

2013/12/31

キャラクター

簡易キャラクター

 ドラゴニアでは、 あらゆるキャラクター(PCでもNPCでも雑魚でもボス)を公平に扱うように、 ルールが作られています。 しかし、十把一絡げの雑魚を作り、 またセッション中に同時に多数の雑魚を動かすには、 少しばかりルールが重くもあります。

 そこで、もっと簡単に雑魚を取り扱えるように、雑魚用の簡易キャラクタールールを用意しました。
 このルールでは、標準データに比べてキャラクターを構成する要素は少なく簡略化され、 そして戦闘における取り扱いもできることが少なく、軽くなっています。 反面、標準データと同じバランスが必ずしも再現できているわけではないことに注意してください。

 簡易キャラクターの作り方と使い方は、
簡易版ドラゴニアに記載されていますので、 具体的にはそちらをご覧ください。

技能

技能習得・使用の制限解除

 基本ルールでは利腕、逆腕、魔法、移動などのカテゴリの技能は、 1 ラウンドにつきそれぞれ一種類ずつしか使えませんが、 GM が望むのならその制限を撤廃することができます。
 また、このとき「同じ技能を複数習得する」ことも認めます。

 例えば 9CP で〈刀剣〉 3 レベルを 3 つ取ることで、 1 ラウンドにつき 9 点分の技能を[AP]として消費することができるようになります。 勿論、それらは別技能なので、一度の攻撃に複数の技能を消費することはできません (つまりこの場合であれば、一度の攻撃に消費できる技能は 3 が限界)。
 このルールを適用すると、 技能の制限が撤廃されることで判定がわかりやすく、 また一点に集中した達人が作りやすくなります。

 ただし、無駄な技能を取らずに必要な戦闘技能に特化させることが安易に強いキャラクターにつながってしまうため、 注意が必要です。 あるいはボス役NPCの特権にしてもいいかもしれませんが、 その場合もPLに不公平感を与えないように程々にすべきでしょう。

判定

達成値 0

 判定結果の達成値が 0 (言い換えれば威力ダイスが 0)であったとき、それは必ずしも失敗を意味しません。 もし目標値が 0 であれば、その行動は成功したことになります。

 ただし目標値が 0 になるような行動は、普通は判定をすること自体が不要です。
 対抗判定の場合、受動側は何もしなくても達成値 0 以上が保証されるため、 負けが確定します。

長い単位のラウンド処理

 GMはある一定時間の区切り、あるいはシナリオ進行の区切りを1ラウンドとして、 戦闘と同様に処理することもできます。

 例えば1日を1ラウンドと定義し、その日の行動は全て[AP]を消費して行わせるのです。 もちろん、一日が終われば[AP]は最大まで回復します。
 期日までの時間消化や調査、子育てなど、 繰り返し日々を過ごすようなシチュエーションでは活用しやすいでしょう。

 なお、 一般的な戦闘においては、1ラウンドにつき 5 〜 10 秒ほどを想定しています。

[SP]

 [SP] 1 点を消費して得られる効果に、以下のものを追加します。
  • 起死回生 戦闘中
     あらゆる負傷のペナルティを、その戦闘が終了するまでの間は無視します。

  • 先の先 常時
     一瞬だけ[IN]を無限大とし、更に特技の効果を無視して行動権を取得します。
 二人以上が同時にこの効果を得た場合、結果は元の条件に依存します。

戦闘

行動順序の再まとめ

 行動は[IN]の最も高いキャラクターから行います。 行動回数の制限はなく、[AP]の続く限りは行動し続けることが可能です。
 最も[IN]の高いキャラクターがそれ以上の行動を取ることをやめれば、 次に[IN]の高いキャラクターが行動します。

 他のキャラクターの行動中でも、 判定処理中でなければ(直前でも可)、 より[IN]の高いキャラクターは割り込んで行動することができます。
 全員が行動を取ることをやめれば、そのラウンドは終了して次ラウンドに移ります。

攻撃と防御の再まとめ

 攻撃は任意の値の[AP]を消費して同数の6面体ダイスを振り、 4以上の出目の数により攻撃の達成値を求めます。
 一度のダイスロールで、命中と攻撃の成果を算出します。 攻撃側の達成値は、以下のように計算します。
『命中値』  =  【命中系数】 * 『4以上の出目数』
『攻撃値』  =  【攻撃系数】 * 『4以上の出目数』
最終攻撃力 =  『攻撃値』 + [攻撃力]
 防御側の達成値は、以下のように計算します。
『命中値』  =  【命中系数】 * 『4以上の出目数』
『防御値』  =  【防御系数】 * 『4以上の出目数』
最終防御力  =  『防御値』 + [防御力]
 上記の結果から、ダメージは以下のように計算します。
ダメージ = 最終攻撃力 - 最終防御力
 このとき、『半減』が発生していればダメージは 1/2 になります。 『無効化』が発生していれば無効化されます。

 また、回避を行った場合は『回避値』が『命中値』以上になれば、攻撃を無効化します。

  白兵攻撃
 白兵攻撃は、手足や得物を振り回して対象を殴りつけるような攻撃全般が含まれます。
 白兵攻撃の命中値の算出には【運動系数】、攻撃値の算出には【体力係数】を使用し、 最終的な攻撃力には[攻撃力]を加算します。

 白兵攻撃に対しては、手足や手に持った道具で防御を試みることができます。
 防御の命中値の算出には【運動系数】、防御値の算出には【体力係数】を使用し、 最終的な防御力には[物理防御]を加算します。

  射撃攻撃
 射撃攻撃は、得物を投げたり射出したりして、離れた対象にぶつけるような攻撃全般が含まれます。
 射撃攻撃の命中値の算出には【運動系数】、攻撃値の算出には【感覚係数】を使用し、 最終的な攻撃力には[攻撃力]を加算します。

 射撃攻撃に対しては、手足や手に持った道具で防御を試みることができます。
 防御の命中値の算出には【運動系数】、防御値の算出には【感覚係数】を使用し、 最終的な防御力には[物理防御]を加算します。

  魔法攻撃
 魔法攻撃は、魔法系特技《キネシス》や《リアライズ》による攻撃です。
 魔法攻撃の命中値の算出には【思考系数】、攻撃値の算出には【魔力係数】を使用ます。 攻撃力の基準値は 0 です。

 魔法攻撃に対しては、手足や手に持った道具、あるいは精神集中で防御を試みることができます。
 防御の命中値の算出には【運動系数】か【思考係数】、防御値の算出には【魔力係数】を使用し、 最終的な防御力には[物理防御]を加算します。

  精神攻撃
 精神攻撃は、原則として魔法攻撃の一種として扱います。
 攻撃や防御に使う係数は魔法攻撃と全く同一であり、 武器や精神集中で防御できることも変わりません。
 違いは唯一[物理防御]でなく[精神防御]でダメージを軽減することです。

 ただし、特技《支配》による精神攻撃だけは上記の例外とし、特別な処理をします。 これについては、「特技」にある解説を参照してください。

攻撃と防御に使用する能力
種別行動命中(攻撃)攻撃系数攻撃力命中(防御)防御系数防御力
白兵攻撃身体【運動】【体力】[攻撃力]【運動】【体力】[物理防御]
射撃攻撃身体【運動】【感覚】[攻撃力]【運動】【感覚】[物理防御]
魔法攻撃精神【思考】【魔力】0【運動】,【思考】【魔力】[物理防御]
精神攻撃精神【思考】【魔力】0【運動】,【思考】【魔力】[精神防御]

攻撃成否についての補足

 基本ルールには明記されていませんが、 攻撃判定の結果として『命中値』が 0 であった場合、 対象は自動的に回避に成功するため、攻撃は失敗します。

魔法攻撃への追加事項

 魔法攻撃はベースとなる攻撃力が0であるために、重装甲に対しては不利になりがちです。 また、魔力による攻撃は通常の防具では防ぎ難いと考えられます。
 よって、 あらゆる魔法攻撃に対する[物理防御]は、1/2 してダメージを計算するようにします。

魔法準備はどこまで維持できるか

 魔法準備で変換した魔力ダイスは、 以後は任意のタイミングの魔法使用時に消費できます。
 別に魔力ダイスを消費せずに魔法を使用しても構わないし、 魔力ダイスの一部だけを消費しても構いません。

 また、負傷したり倒れたりしても、原則として魔力ダイスには影響はありません。 ただし、任意で魔力ダイスを放棄することは可能です。

範囲攻撃の目標と効果範囲

 《ブラスト》や《デストラクト》は、目標を中心に円形に効果範囲が広がります。 この範囲は可変となっていますが、これは攻撃判定を行い攻撃値を算出した後で、 実際の効果範囲を選択します。

 一方〈ブレス〉は、目標までの距離に関わらず攻撃値から自動的に範囲が決まります。 中心点が目標より近い場合、目標なしの状態で範囲内の対象は受動行動を行います。 中心点が目標以上の距離ならば、通常通りの範囲攻撃となります。

移動妨害の対象外

 移動妨害は、範囲内を通過しようとする他のキャラクターを妨害できますが、 侵入を妨害することはできません。
 できるのは自分を無視して素通りしようとするのを妨害することであり、 どんなに長い武器を持っていたとしても、 相手が自分の懐に潜り込むのを妨害することはできないのです。

武器狙い

 攻撃で中傷以上の負傷を相手に与えた際、 与える負傷度を一段階下げる代わりに武器を手放させることができます。
 また致命傷以上の負傷を相手に与えた際、 与える負傷度を一段階下げる代わりに武器を破壊することができます。

 これはダメージの算出後に宣言可能で、相手が抵抗した場合は絶対に失敗します。 名も無き雑魚なら抵抗すべきではありませんが、 強敵であればGMはキャラクターと状況にあわせて判断してください。
 なお、負傷度を下げる特技を使用している場合には、 下げる前の値で判定します。

身代わり

 攻撃を防御した時、ダメージ適用後に防御に使用した武器を落とすことで、 受ける負傷度を一段階下げることができます。
 落とした武器は、「ダメージ / 10」[m] ほど後方に飛ばされます。

特徴

 特徴と特技に以下の修正と追加をします。
 新しい特徴〈無機物〉は特殊な特徴、特技《カウンター》は汎用戦闘術に分類されます。

小体
上限: -
解説: 上限を (1) から - に変更。
他、詳細は全て元データと変更なし。



無機物
上限: 0
解説: 炭素ベースの通常の生命体ではなく、 魔力で動く土塊や機械、アンデッド、あるいは珪素生物など。
〈無機物〉は通常の〈医術〉や《ヒーリング》などで治療することができない。 どんな存在かにより、それに適した技能や専用の魔法が必要。
カウンター
行動: 身体 代償: 2MP
属性: 攻撃 技能:〈白兵〉
条件: 軽武器  持続: 瞬間
解説: 自分より[IN]の低い相手の白兵攻撃に対して、 特殊な受動行動として使用する。
「攻撃値」と「防御値」が両方とも攻撃側以上になれば、 相手の攻撃を『無効化』した上で攻撃が成功する。
ただし、その攻撃の達成値としては、 この特技の判定結果でなく攻撃側のものを使う。

〈魔器〉

 以下の〈魔器〉の能力を、追加・修正します。
  • 対魔装甲
    追加。
    防具限定。魔法攻撃に対して、[物理防御]を 1/2 せずに通常通り適用できるようになる。

  • 霊殺し
    修正、以下の記述を削除。
    「、あるいは〈幽体〉を持つキャラクターが装備することが可能になる」

特技

行動権奪取技

 特技《受け流し》《見切り》《捨身》《不動》《飛燕/隼》《連環》は、 条件を満たした際に行動権を取得する効果を持ちます。
 通常の処理ではイニシアチブの度に[IN]の高いキャラクターが優先的に行動権を得ますが、 上記の特技が発動した場合は、[IN]の値を無視して行動権を自分のものとすることができます。

 勿論このとき、行動権奪取技による行動宣言後に、 他のキャラクターが[IN]の高さを理由に行動権を奪取することはできません。 行動権奪取技で取得された行動権を奪取し返すには、 より優先度の高い行動権奪取技を使用するより他ありません。

 複数の行動権奪取技同士がぶつかった場合、 それぞれに設定された優先度の値の低い方が勝ちます。
 具体的に言えば、《連環》による連続攻撃の最中に 《受け流し》 《見切り》 《捨身》 《不動》により行動権を奪取することは可能ですが、 《飛燕/隼》による連続攻撃は他の特技によって妨害することはできません。

《支配》

 《支配》は特殊な精神攻撃として運用します。

 《支配》は『感覚/精神』行動であり、[AP/精神]を消費して判定した結果の威力ダイスに、 【感覚係数】を掛けて達成値(攻撃値)を求めます。
 対象はこれに対して行える受動行動は、精神防御のみです。 武器や魔法による防御、回避は行えません。 〈強靭精神〉を技能とし、 [AP/精神]を消費した結果の威力ダイスに【集中係数】を掛けて達成値(防御値)を求めます。

 これらの結果から「攻撃値 - 防御値 - 精神防御」でダメージを算出し、 それを負傷表と照らしあわせて死亡にまで達していれば洗脳に成功し、 対象は一時的な使い魔となります。

 この《支配》による精神攻撃は、 負傷を与えるのみで[HP]へのダメージは伴いません。 またその負傷によるペナルティも発生しません。
 つまり、致命傷を重ねるか一撃で死亡させるかしないと、実質的な意味はありません。

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