望郷のサイキッカー
2003/11/16
「僕には力がある。それを思い知らせてやる ! 」![]() 裕福で幸福な家庭だった。そう思う。 食べ物にも衣服にも、困ったことはなかった。 父も母も優しく、大抵の頼み事は聞いてくれた。 それが、どうしてこうなってしまったんだろうか。 気がついたときには、金属の覆いの中にいた。 周りには、白衣の大人しかいなかった。 拘束され、身動きもままならず、 身体中には電極が貼りつけられた。 実験と称し、様々な苦痛を味あわされた。 泣き喚いても、哀願しても、一顧だにされなかった。 逃げ出せたのは、同じ部屋にいれられていた子のお陰だ。 一緒に逃げる約束をした。計画を練って、実行した。 そして逃げ出せたのは、僕だけだった。 あの子のことは心残りだけど、いつまでも気にしてはいられない。 あの懐かしい家に帰らねば。 ここがどこなのか、かつて自分はどこにいたのか、全くわからない、 というより、知らない。 手がかりは、たった1枚の大切な思い出。 それを懐に、僕は歩き始めた。 …ところで、最近気になることが1つある。 初めて自分が能力に気付いたとき、 襲ってきた狂犬を蹴散らしたとき、 そのときの凍りついたような両親の顔が、頭にちらつく。 僕の考え過ぎだろうか?
コメントここに来て、絵描きのテンションがますます上がってきました。そのまんまポスターになる。(笑)……あれ ? CD に入れたデータは、ロゴなしバージョンと本人は言っていたような……。 |