スタイル -フィジカル-


2003/12/30


フィジカル

 フィジカルとは、生身の肉体で戦う力を得た者の総称である。
 普通に考えれば、機械の体を持つサイバーや、 強靭な肉体を持つミュータント、 人外の力を持つ超常能力者などに、 とても生身で立ち向かえるものではない。
 しかし、人間の体に眠っていた可能性、 気の力を引き出すことにより、 超人的な能力を手に入れたのである。

 気を最もよく理解し、 さらに自分を鍛えるということに最も執着のあることから、 フィジカルの能力を持つ者としては、武術家が最も多い。 フィジカルと言えば、武術家を指すこともあるくらいである。
 しかし、厳密には、それに留まらない。 例えば、気を弾丸に込め、驚異的な集中力で急所を撃ち抜く ガンマンなども、立派なフィジカルである。

 問題なのはどうやって戦うか、ではなく、どうやって強くなるか、 というスタンスだ。 とにかく手っ取り早く力が欲しいのなら、 サイバーをお勧めしよう。 文明によって生み出された、科学という力が手に入るだろう。
 そうではなく、外から与えられる力ではなく、 自分自身が強くありたいと願うのなら、 その先はフィジカルにたどり着く。 何かに頼るのではなく、自分自身が強くなる。 このスタンスこそが、フィジカルであるのだ。


フィジカルになる方法

 フィジカルになることは意外と難しい。

 己の中の気の流れを感じること。

 周りにある気の流れを感じること。

 それらを通し、我が身を自在に操ること。

 五感で周囲の存在を感じ取ること。

 あるフィジカルの台詞を借りれば、 これらは「全て人間に体得できること」であるらしい。

 とはいえ、事は言うほど簡単ではない。 頭ではまるで理解できないことを、感じ取り、学ばねばならない。 ほとんどの者は、師匠につき、長い年月をかけた厳しい修行を経た上で、 初めて一人前のフィジカルとなることができる。 極まれに、無意識のうちにフィジカルの能力を使う者もいるが、 そんなものは例外でしかない。

 もっとも、生まれつきのフィジカルは年々、増加しているという報告もある。 データの信頼性が今一つなのだが、 一説によると、過酷な環境で生きることを強いられるうちに、 人間の潜在能力が発現されてきているとのことだ。
 真偽のほどはわからないが、辺境の地ほどフィジカルの発生率は高いと言う。


よくいるフィジカルのタイプ

 先天的にフィジカルの能力を身につけているような特殊な固体を除けば、 フィジカルは己の能力を多かれ少なかれ修行によって修得したことになる。
 そして、当人もそれを経験してきただけに、能力を保つにも伸ばすにも 訓練が必要であることを、肌身に沁みて理解している。

 従って、フィジカルは自身の能力を必要とするような、 よく使うような生活スタイルを選択しているケースが、比較的多い。 例を挙げると、賞金稼ぎや用心棒、変異生物狩りや拳闘士などの、荒事で食い扶持を稼ぐ連中である。 そのやり方千差万別で、自分の力を利用して積極的に金や名声を獲得しようとする者もいれば、 ただ、戦えればいいという者もいる。 場合によっては、能力を伸ばすことだけしか考えておらず、 日々、修行(戦闘行為も含む)に精を出しているような者もいる。

 ただ、これは全てにおいて当てはまるわけではなく、 中には最低限の訓練だけを行いつつ、普通の生活を送る者もいる。 隣のぐうたら爺さんが、実は引退したフィジカルである可能性も否定できないのだ。


フィジカルの組織

 どちらかと言うと個人レベルでの修行、伝達が一般的なフィジカルだが、 少数ながらもフィジカルの組織は存在する。

 例えば、集団生活を営みつつ日夜フィジカルの訓練に血道を注ぐ組織が、どこかにあるらしい。
 彼らは修行を第1の目的とし、最低限の食料を生産して日々を暮らす。 しかし、その苦しい生活から脱落者も多く、 より楽な道を求めて組織全体が大きな組織(都市など)の支配化に入り、手足として働いているという話もある。

 他にも、非人間的な訓練によりフィジカルを作り出し、 仕える組織の忍者として使う集団もあるというが、 詳しい情報は分かっておらず、噂の域を出ていない。


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