ダイスロールHexa Force において、キャラクターが何らかの行為を行おうとするとき、 その成否はダイスロールによって決定されます。 これはあくまでも、上手くいくかどうかわからない行為に対してなされるものです。 絶対に上手くいく行為、絶対に失敗する行為には、ダイスロールをする必要はありません。 また、成功しようが失敗しようがどうでもいい行為に関しても、 ダイスロールをする必要はあまりないでしょう。以下にダイスロールの手順を示します。
2004/06/19
使用ダイス … 6面体を複数個(10前後)
使用能力行う行為に対し、どの能力値を使用するかを決定します。 これは戦闘行動ならばあらかじめ決められています。通常時の行動ならば、GMが決めても構いませんし、 GMの許可さえあればプレイヤーが決めても構いません。 行おうとする行為に相応しい能力値を選択してください。 パワーランクダイスロールで重要になるのが、“パワーランク”の値です。 “パワーランク”とは、その行為を行うにあたって、 どれだけの力を込めたか、という指標となります。“パワーランク”は、ダイスロールに使う能力値以下の、好きな値を宣言してください。 達成値“パワーランク”を宣言したら、その値に等しい個数のダイスを振ります。 このときの、ダイスの出目の合計値が、「達成値」となります。 「達成値」は、その行為がどれだけ上手くいったかを表しています。自動失敗力をより多く込めれば、より高い成功が期待できます。 しかし、高い成功のためにギリギリを追求して力を込めるほど、 間違いや失敗の可能性も高くなります。 これは、自動失敗という形で現れます。ダイスを振ったとき、 1の出目と6の出目の個数を数えてください。 [$1の出目の個数 - 6の出目の個数$]が“セーフティランク”以上であれば、 このダイスロールは自動失敗となり、「達成値」は0になります。 つまり、“パワーランク”が大きいほど、自動失敗の確率は上がってしまうのです。 1の出目 - 6の出目 < セーフティランク → 達成値 = 出目の合計 セーフティランクダイスロールを行うにあたり、 その行為をどれだけ安定した状態で行っているかを示すのが、 “セーフティランク”です。 これが高いほど、自動失敗は起こりにくくなります。“セーフティランク”の基本値は1です。 技能を使ったダイスロールの場合、技能レベルだけ“セーフティランク”が上昇します。 また、ダイスロール時の状況によっても上下します。
達成値と目標値ダイスロールの「達成値」が、「目標値」以上であれば、 ダイスロールは成功になります。 「目標値」は行為の難しさを表しており、 ダイスロールの内容に応じてGMが設定します。「目標値」は、ダイスロール前に宣言しても、 秘密にしたままダイスロールをさせても構いません。
技能の使用とろうとする行動と関連のある技能を修得していれば、 ダイスロールにその技能を使用することができます。技能を使ったダイスロールでは、技能レベルだけ“セーフティランク”が上昇します。 技能の使用ができるかどうかについては、GMの判断を仰いでください。 競争複数のキャラクターが、競争するようなダイスロールを行う場合、 あるいは、誰かの行動を妨害するようなダイスロールを行う場合は、 競争が発生します。このとき、「達成値」が高い方の勝利となります。 同値の場合は引き分けとなります。 引き分けがあり得ない場合は、防御側有利の法則が働き、防御側の勝利となります。 どちらが防御側か分かりにくいときは、GMの判断とします。 無理普通にダイスロールをしたのでは、“パワーランク”は能力値を越えられません。 しかし、無理をすれば、リスクと引き換えに通常の能力以上の力を発揮することができます。無理をすれば、 使用能力値を上回る“パワーランク”を宣言することが可能になります。 その代わり、使用能力値を越える1ごとに、“セーフティランク”が1低下します。 使用能力値の例
〔運動〕
〔技量〕
〔感覚〕
〔感情〕
〔精神〕
〔理性〕
特技の使用種別が『判定』となっている特技は、普通の行動として使用することもできます。ただし、その使用法は戦闘ルールに順じたものとなっています。 具体的には、使用を宣言してから即実行するのなら〔リフレクス〕まで、 十分に時間をかけて行使するのなら〔キャパシティ〕までがパワーランクの限界となるのです。 このとき、承諾なしに他人に対して使おうとした場合は、攻撃と同様に扱わねばなりません。 使用を宣言した瞬間から、戦闘として処理して下さい。 対象の方が〔リフレクス〕が高ければ、自分に対して何かが行われようとしていることに気付き、 先手を取って行動できるのです。 これは、見知らぬ相手に何かを仕掛けようとすることは、それだけのリスクがあるということです。 特に〈サイコ〉と〈マインド〉のPCは注意して下さい。 他者への干渉特技に限らず、他者に対して未承諾で何らかの干渉を及ぼそうと試みる場合、 攻撃と同様の処理をする可能性があります。GMは戦闘ルールでの処理が相応しいと判断したなら、 プレイヤーが使用を宣言した瞬間から、ラウンド単位での処理を行ってください。 なお、通常の戦闘ルールでは能力値や技能値は全く使用しませんが、 この場合においてはその限りではありません。 一般判定のルールに従って、 パワーランクやセーフティランクに制限をかけてください。 もちろん、パワーランクと同じだけのチャージランクを消費する必要もあります。 ソウル全ての人が、その身の奥底に備えている根源的な力、それが魂の力、ソウルです。絶体絶命のピンチに陥ったとき、 絶対に負けは許されず、勝たねばならないとき、 後一歩、その最後の一歩が届かないとき、 そんなとき、諦めず、挫けずに立ち向かおうとする強い意志が、それを呼び起こします。 そうして発動した魂の力は、奇跡を起こすのです。
ソウルの効果〔ソウル〕は消費することにより、様々な効果を得ることができます。 具体的には、$1$点につき、以下の効果を得ることができます。オプションルールここでは、付加的なルールを説明します。 導入するかどうかは、各GMが判断してください。クリティカル何かしらの行動を取ったとき、幸運のためか、実力以上の素晴らしい成功を起こすことがあります。それが、「クリティカル」です。 これは、 (「6」の出目の個数 - 「1」の出目の個数) ≧ “クリティカルランク”のときに発生します。 “クリティカルランク”の基準値は 2 です。 クリティカルが発生すると、そのときの達成値が倍になります。 その他、GMの判断で、PCに都合の良いイベントを発生させても良いでしょう。 処理が煩雑になる上に不確定要素が大きくなるので、 戦闘には適用しないことをお勧めします。 尚、クリティカルと自動失敗が同時発生した場合、自動失敗が優先されます。 ファンブル何かしらの行動を取ったとき、時には、思わぬ、それもひどい失敗をしてしまうことがあります。それが、「ファンブル」です。 通常、$(「1」の出目の個数 - 「6」の出目の個数) \ge “セーフティランク”$のとき、 自動失敗が起こります。 更にこれを拡張し、 $[(「1」の出目の個数 - 「6」の出目の個数) \ge (“セーフティランク” + 1)]$ のとき、その判定は「ファンブル」であるとします。 ファンブルが起きますと、何か大きな、時には致命的な問題が発生します。 その具体的な内容は、GMの判断となります。 戦闘時においては、無視しても構いません。 ロングアクション時間が限られているような状況下で作業を行うとき、 あるいは一刻も早く急いで作業を完了させなければならないとき、 そんなときの判定には、ロングアクションというルールを使います。ロングアクションは、戦闘と同様に処理するので、戦闘の一環と考えた方がわかりやすいでしょう(「戦闘」参照)。 PCは戦闘時と同様、リフレクスとキャパシティの制限を受けた上で、 自らのメインフェイズで判定を行います。 GMは、その作業の完遂に必要な“目標パワーランク”と「目標値」を定めてください。 PCは適切な能力値を技能を利用して判定を行い、 「目標値」以上の「達成値」が出れば、その判定は成功となります。 そして、そのときの“パワーランク”を記録しておいてください。 判定成功時の“パワーランク”を合計し、それが“目標パワーランク”に達すれば 作業は完了となります。 このとき、無理をして判定を行えば作業は早く終わりますが、そのぶん失敗の危険性は増し、 確実に判定を行えば、それだけ時間がかかるというわけです。 実際にロングアクションを適用するのに相応しい例としては、 「他のPCが敵の脚止めをしている間にコンピュータにハッキングをかける」、 「ラウンド単位の時間制限付きで、時限爆弾を解体する」、 などが考えられます。 判定の例〜桐生柾葵の場合〜まばゆい明かりに照らされた白い壁。チリ一つ落ちていない清潔な通路。 ここは何かの、研究施設らしい。 まあ、わざわざ地下に造ってあるあたり、 自ら自分たちが怪しいと吹聴しているようなものだ。 俺たちは、 付近で多発している行方不明事件を調査していた。 そして、どうにか行方不明者たちの居場所の当たりをつけ、ここに来ていた。 どうも変異体の実験体として、外の人間を必要としたらしい。 ふん、胸糞悪い話だ。 まあともかく、俺たちはまんまと研究所の潜入に成功し、 捕まっている連中のすぐ近くまで来ることができた。 が、扉が開かない。 いったいどうなっているのか、思わず、バックアップに回った連れに問いただす。 「制御コンピュータは支配化に置いたんじゃなかったのか!? 」 「置いたさ! でも、その扉はコンピュータと関係ないんだから、仕方ないだろう? 」 言われてよく見ると、どうもこの扉は、 電子ロックではなく原始的なシリンダー錠によって施錠されているようだった。 まさか、この手の研究所でこんなものを見るとは! コンピュータさえどうにかできればOKと考えていたのだが、 どうやら逆手に取られたらしいな。 果たして、力づくで開くだろうか? とりあえず試して見ることにする。 俺の〔体力〕が 4 だから、普通に判定すれば“パワーランク” 4 でダイスを 4 つ振れる。 「無理」をすればもっと振れるが、万が一壊れて開かなくなってはまずい。 というわけで、“パワーランク” 4 で判定をしてみた。 ロールの結果は[1・3・5・6]で、自動失敗ではないので達成値は15。 GMによると、力づくで開ける場合の目標値は 25 とのことで、全くの無駄だった。 どうやら、よほど無理をしないと開かないようだ。 しかしリスクが大きい。どうしたものだろうか……。 なんてことを考えていると、 もう一人の連れであるゲンヤが俺にどくように言う。 「ここは拙僧におまかせあれ」 自称敬虔な仏教徒、実際には破壊僧としか思えない坊主姿をしたこのおっさんには、 何か考えがあるらしい。 口の端を軽く持ち上げながら、鍵穴をいじり始める。 呆れたことに、密かに針金を隠し持っていたらしい。 ピッキングを試みる場合の目標値は、 20 と宣告される。 ゲンヤの〔技量〕は 6 だから、普通に振っても期待値でどうにかなるな。 しかし何としたことだろう、このおっさんは坊主を自称しながら、 「トリック」の技能を修得していた。 これによって“セーフティランク”の基準値が +1 される。 ゲンヤはこれを利用し「無理」をして“パワーランク”を 7 にすることを宣言した。 “パワーランク”が使用能力値を 1 上回っているため、本来なら “セーフティランク”が -1 されるわけだが、それは技能の分と相殺されて、 今回の“セーフティランク”は 1 のままである。 こうして振った出目は[1・2・2・2・3・5・6]で、自動失敗ではないので達成値は 21。 辛くも判定に成功し、鍵は音を立てて開いた。 「うむうむ。これも仏の加護という奴だな。がっはっは!」 それにしても、開いたのはめでたいが、 俺が苦労したのは一体なんだったんだろう? 納得いかねぇ……。 判定の例 その2〜桐生柾葵の場合〜さる筋から入手した地図によると、 この先が目的地らしい。…が、目の前にあるのは壁だった。 「あれま、これはいったい、どういうことかねぇ? 」 壁をペタペタと触りながら、すっとぼけた面でそう言うのは、 ついさっきやっとこさ合流を果たした連れの一人、ムゲン。 そこらの街中を歩いていても全く違和感のない適当な服装をし、 武器、防具の類は一切、身に付けていない。 それがいかにも人畜無害で温和そうなその風貌とあいまって、 大抵の所は怪しまれずに動き回れるという利点がある。 しかし、今はその、いつもヘラヘラと笑った面が無償に腹ただしかった。 だから、 「どうしたもこうしたも、その地図を持ってきたのはお前だろう? 」 思わず、険悪な口調でそう返してしまう。 「いやいや、もちろんこの地図は正しいと思うよ」 「ふむ、となると、巧みカモフラージュされているか、 さもなくば改築されたかのどちらかかの」 なるほど、ゲンヤの言うことももっともだ。だったら、 「壁を思いっきりぶん殴れば、穴でも空くんじゃねーのか」 そう、提案してみる。 そうしたらムゲンの奴は、 「ちっ、ちっ、ちっ。そーんな野蛮な事はすべきじゃないね。 あまり大きな音を出すと余計な人が来るかもしれないし、 第一スマートじゃない。それに、拳を怪我でもしたらどうするんだい? 」 俺の拳はそんなにヤワじゃねぇ。 という思いとともに、その勿体つけた態度に腹が立つ。 「だったら、どうしようってんだよ? 」 「ま、ちょっとそこで見ていてくれよ」 そう言って、奴は目を閉じて、何かを始めた。 これは後で知ったのだが、奴はそこの場にある記憶を 読み取ることができるそうだ。 特技を使うときは、戦闘ルールに順ずる。 ムゲンの〔リフレクス〕は 3 しかないが、 ここでは十分に時間をかけ、 “チャージランク”は限界である〔キャパシティ〕の値、 10 までかせいだ。 そして全力のパワーランク 10 で《サイコメトリ》に兆戦する。 出た目は[1・3・3・3・4・4・5・6・6・6]で、達成値は 41 。 GMはこれだけの達成値があれば問題ないと判断し、 重要な情報を彼に与えた。 「なーるほどね」 何が起きているのかよくわからない俺たちを尻目に、 ムゲンは壁を調べ始める。 そして、おもむろに隠されていた蓋を開け、中にあるパネルの操作を行う。 それから程なくして、壁だったそこは、開いた扉になっていた。 「よし、開いた。さあ、それじゃ行こうか」 まったく、得体の知れない野郎だ。 ま、頼りにはなるがな。 |