生物
 人類が地下に篭もっている間に、世界は変わっていた。
そこに生えている植物、棲んでいる生物は、
かつての物とは似ても似つかぬ物ばかりであり、
全くの未知の生態系が広がっていた。 
 
 ここでは、Hexa Force の世界に棲む生物だちの、そのほんの一部を紹介しよう。 
 
2003/11/24
 
 
 
変異動物
哺乳類 ?
 -  ゴブリン
 
- 
 身長100〜150[cm]ほどの、雑食性の人型の生物。
平地を中心に、森林部や山間など様々な所に生息する。
ボスを中心に、群れで生活する習性がある。
悪食で、何でも食べる。
 
 
 性質は臆病で好奇心が強く、意地汚い。
知能が高く、棍棒のような原始的な武器、道具を使いこなし、
危険をなるべく避けながら食料を探す。 
 
 その性質ゆえ、人の村や町に近づき、家畜や野菜を盗むことも珍しくない。
場合によっては人を襲うこともある。
そのやり口は徹底して弱い者を狙うため、厄介である。 
 
 開拓者たちにとって、最も危険な生物の一つである。
一般には、何から突然変異して生まれた生物なのかは、謎とされている。 
 
 肉は結構うまいらしいが、人に近い姿をしていることもあって、食べようと思う人間はあまりいない。 
 
  -  スカベンジャー
 
- 
 草原に棲む全長1[m]ほどの肉食獣。
 
 
 とは言っても、普通の狩りはたまにしか行わない。
彼らは主に、他の動物の食べ残しや、病死、餓死した死体を漁るのだ。
弱っている獲物を発見すると、動かなくなるまで後をつけたりもする。 
 
 当然、戦争で死んだ人間も彼らにとっては格好の餌であるため、
戦争を業務とする職に就いている人間には特に嫌われる。 
 
 肉は臭くてまずい。 
 
  -  ディオネアイーター
 
- 
 ネズミのようなシルエットを持つ、全長10〜20[cm]の小型の雑食獣。
湿地帯に多数生息しており、
数十匹〜数百匹の群れをなして生活する。
 
 
 俊敏だが非力で、他の肉食獣からしてみれば恰好の餌である。
しかし、ディオネアイーターが棲む地帯には必ずマントラップが繁殖しており、
うかつに追いかけると、逆にマントラップの餌となってしまう。
そして、ディオネアイーターは、捕まった生物をマントラップの葉っぱごと食べてしまうのである。
もちろん、ディオネアイーター自身もマントラップに捕まるのだが、
鋭い前歯で葉を食い破り、脱出してしまう。 
 
 かつてのげっ歯類と同様、肉は臭くて食用には適さない。 
 
  -  ノイジィ
 
- 
 草むらや木々の間を走り抜ける、
胴部と同じくらい長い尻尾を持つ、
全長1[m]ほどの雑食獣。
 
 
 濃い茶色の所々に黒い模様があり、
なかなか愛嬌のある、可愛らしい外見をしている。
しかし油断してはいけない。
彼らも時には獲物を狩り、肉を食う。 
 
 ぱっと見にはわからないが、ノイジィは体表のいたる所に声帯のような器官を持っている。
これを震わせることにより、大きな音を発することができるのだ。
身を守るときや狩りには、この器官を利用する。 
 
 ノイジィの狩りは、群れで行われる。
ノイジィは獲物を発見すると、まず周囲を取り囲む。
そして、件の声帯を利用して、高めの周波数で大きな音を四方八方から浴びせるのだ。
これにより、獲物は脳震盪を起こして気絶してしまい、ノイジィは悠々と獲物を持ち去るのである。 
 
 ノイジィ自体は、食おうと思えば食えないことはないが、決して美味い物ではない。 
 
  -  モノコーン
 
- 
 額にまっすぐ伸びた一本の角を持つ、全長2[m]ほどの草食の四足獣。
よく草原を群れをなして駆けている。
 
 
性質は温厚かつ臆病で、ちょっとした物音などでこぞって逃げ出したりもする。
その反面、興奮しやすく、
下手に追い詰めたりちょっかいをかけると、我を忘れて暴れることがある。
そうなったモノコーンは危険な生物である。
鋭い角を敵に向け、最高80[km/h]の速度で体当たりをしてくるのだ。
その破壊力は戦車の装甲すら貫くほどである。 
 
 従順であり、体力と走力に長けるので、調教を施せば乗騎とすることもできる。
肉もそれなりに美味だが、草原を駆ける動物なため、
家畜とするのは割に合わないだろう。 
 
 なお、農家からは畑を荒らす害獣として嫌われる。 
 
       
 
鳥類 ?
 -  ヤタクロウ
 
- 
 全長1〜2[m]の漆黒の鳥。雑食で動物から植物まで何でも食べる。
温帯を中心に森から草原にかけて広く分布し、都市部にも多い。
 
 
 肉体的な能力は大したことがないが、
鳥の類では最も頭が良く、クチバシで器用に道具を使いこなすほどである。
その上、群れで生活するする性質を持つため、
場合によっては厄介な動物になる。 
 
 特に、子育て中の巣に近づくのは危険きわまりない。
何十、何百という数で一斉に襲いかかられたら、
並の人間ではひとたまりもないだろう。 
 
 また、農作物や家畜にも手を出すために村では嫌われ、
都市部ではゴミ漁りをしてはやっぱり嫌われている。
ゴミはゴミ箱へ。 
 
 -  レギーネ
 
- 
 全長15〜30[cm]ほどのカラフルな明色で身を飾る、色彩の美しい鳥。
亜熱帯の森の奥深くに生息し、虫などを好んで食す。数は多くない。
 
 
 その美しさゆえに、好事家たちの欲しがる逸品の一つであり、
丸ごとなら勿論、羽だけでも結構な値段がつく。 
 
 しかし、その美しさと裏腹に羽先は鋭く尖っており、
その上に身体から分泌されたタンパク質系の神経毒で濡れているため、
大変に危険な生物である。 
 
 腕に自信のあるハンターなら格好の獲物だが、
動物の名前もろくに知らないような人間は、
綺麗だからといって無闇に近づくべきではないだろう。 
 
 -  ロック
 
- 
 翼を広げると全長15[m]にも達する巨大な鳥。
空を飛ぶ生物としては最大級のサイズを誇り、
巣を造る岩場を中心に広大な縄張りを持つ。
 
 
 性質は凶暴かつ攻撃的で、
例えば飛行機を見かけると猛然と襲いかかってきたりする。
そのため、飛行機械の類を生産、運用している都市は、
世界中を見渡しても数えるほどしかない。
人里に降りてくることは滅多にないのが救いである。 
 
 もっとも、同じく空を領域とする翼人たちにとっては、
何らなぐさめにもならないのだが。 
 
     
爬虫類 ?
 -  シャティン
 
- 
 全長2[m]ほどの半球形の甲羅で全身をすっぽりと覆った草食獣。
この甲羅は、かがむと身体が完全に中に隠れてしまう構造になっていて、
そうやって身を守りながら地面の草を食べる。
草原を渡り歩いて、群れで生活している。
 
 
 気質は臆病で大人しいが、力が強く、ちょっとやそっとじゃびくともしない。
その上、頑丈な甲羅で身を守っているため生半可な銃ではまるでダメージが与えられず、
その旺盛な食欲が満足するか辺りに草がなくなるまで食べ続るため、
田畑を耕して生計を立てている人からは害獣として忌み嫌われている。 
 
 ただ、肉はいささか堅いものの脂身が多くそれなりに美味で、殺せる手段があるのなら悪いことばかりでもない。
何しろサイズが大きいから、結構な量の肉が採れるのだ。
また、頑丈な甲羅も、加工次第で使い道がある。 
 
  -  ドレイク
 
- 
 全長5〜10[m]の巨大なトカゲ。
肉食性の獰猛な爬虫類で、
その体躯に見合う強い力と堅い鱗を持つ。
 
 
 山間の岩地などを棲みかとし、
見かけによらず素早い動きで大型の哺乳類すら捕食してしまう。 
 
 食欲旺盛な上に
戦闘力的には戦車とほとんど変わらず、
万が一にも人里に現れると多大なる被害が出るため、
開拓民に恐れられている。 
 
 噂では、ドレイクを生物兵器として利用しようとしている軍もあるという。 
 
    
魚類 ?
 -  ワンズ
 
- 
 身長100〜150[cm]ほどの、雑食性の生物。
 
 
 陸上では二足歩行でシルエットは人間に似ているが、
全身が鱗で覆われ、各部位にはヒレがあり、
マブタがなくて目玉は飛び出ていると、
二足歩行する魚といった様相になっている。
魚人族が魚のような人であるとするのなら、
ワンズは人のような魚といった外観をしているのだ。 
 
 沿岸部の岩場に棲み、主に海草や魚を採って暮らしている。
性格は臆病で用心深く、狡猾である。
海の生物であるゆえに火や道具は好まないが、
使うだけの知能は持ち合わせており、
ときには人里から盗みを働くこともある。 
 
 生息地の近さからか、魚人族とは極めて仲が悪く、
頻繁に争っている。 
 
 なお、毒を持っているので、食べてはいけない。 
   
軟体類 ?
 -  クラーケン
 
- 
 大きい個体では10[m]を超すという、海のモンスター。
 
 
 12本の触手(足 ?)で普通の魚はもちろん、
鯨のような巨大な水棲類さえも捕え、食べてしまう。
もちろん、生半可な船などあっという間に沈められてしまう。 
 
 あまり沖に出ることはなく大陸棚の近くに生息するため、
魚人にとっては恐怖の対象である。 
 
 身は白身であっさりしており、こりこりもちもちとした食感が美味しい。
茹でても刺身でもいけるし、煮てもいいダシが出る。 
   
虫 ?
 -  アーミーアント
 
- 
 全国各地、どこにでも生息している全長10[cm]前後の巨大な蟻に似た虫。
 
 
 一匹一匹は弱く、普段は大した脅威ではない。
しかし、怪我などをすると血の匂いに引かれてやって来て、群れをなして襲ってくる。
こうなってくると、十匹や二十匹撃退したところで役に立たず、
非常に危険である。 
 
 自分たちの仲間ですら死んだら餌と見なす、獰猛な生物である。
ミュータントや開拓者の村では、アーミーアント対策として虫除けの香を焚いている。 
 
 成虫はいまいちだが、幼虫は高蛋白源として重宝されるため、
巣が見つかるとたちまち掘り起こされるのが通例である。 
 
  -  チューブラーマウス
 
- 
 目立つ手足がなく、胴体は節のある外骨格で覆われた全長1〜2[m]の虫。
芋虫のように胴体をくねらせて歩く。
 
 
 特徴的なのは、名前の由来ともなっているその口である。
チューブラーマウスは胴体の先端部から
6本の多関節の管が生えており、これが口や手の役割を果たしているのだ。
この管は関節を折り曲げることで自在に動かせるが、管自体は細くて堅く、
その先端は注射器のように鋭く尖っており、そして中は中空である。 
 
 チューブラーマウスは普段は木の幹や地面に同化してじっと身を横たえている。
そのとき、近くを犠牲者が通りかかると飛びかかり、その身体に管を突き刺す。
そして、その管を通して体液を吸い上げてしまうのだ。 
 
 一度、管を突き刺されてしまうと、エネルギーが吸い出されて力が入らなくなり、
抜け出すのは容易ではない。
チューブラーマウスはこの方法で、かなりの大物まで捕食してしまうという。 
  -  ブラッドマゴット
 
- 
 見た目はどこにでもいそうなごく普通の羽虫。
 
 
 メスは強力な産卵管を持っており、、
哺乳類の身体の中に卵を産みつけてしまう。
体内で孵化した幼虫は、宿主の血液を食べて栄養を取り、
成虫になると同時に体内から出て、外に飛び立っていく。
この間、約一週間である。 
 
 卵を産みつけられたところは免疫の働きで腫れ上がり、
じきに化膿するが、命に別状はない。
しかし、羽化した後は醜い痕が残ってしまう。 
 
 主に子供や年寄り、病人が狙われる。 
 
  -  コックローチ
 
- 
 体長数[cm]程度の、長い触角を持った黒い虫。
油でてかてかと光るため、アブラムシとも呼ばれる。
ミュータントの集落から、都市やシェルター内まで、
おおよそ人の住む所(それも家屋の中)なら
大概の場所に生息している。
 
 
 家屋に住む虫としては最大級のサイズを誇るが、
平べったい体躯でどんな隙間にでも潜り込み、
圧倒的な反射速度で人の攻撃をかわすことにより、
人をあざ笑うかのように我が物顔で家の中を走り回る。
それがその外見とあいまって人の嫌悪感を誘い、
虫の中では最も嫌われていると言っても過言ではないだろう。
さらに首が千切れてもしばらくは息があるという強靭な生命力が、
それに拍車をかけているようだ。 
 
 一見、世界を旅する荒くれ達には関係ないような虫だが、
侮ってはいけない。
世の中には、この虫を退治するためにクリーチャーハンターを雇うような馬鹿、
もとい、奇特な金持ちもいるのだ。
首尾良く退治できれば、楽に儲けることも夢ではない。
もっとも、後で生き残りが現れて違約金を請求されるのがオチかもしれないが。 
 
 一説によると、大戦前から変わらぬ姿で生き続けているらしいが、
噂の域を出ていない。 
 
 臭くて食用には全く適さない。 
 
      
 
変異植物
 -  ヴェイン・ルーター
 
- 
 見た目はどうということのない、普通(何を以って普通とするかは難しい所だが)の草だが、
実体は宿主の血で育つ寄生植物。
 
 
 撒布した黄色い胞子はそのままではどうと言うこともないが、
生物の傷口に付着すると血や体液を養分とし、成長を始める。
このとき、細胞の隙間を縫うように根を降ろすため、引き抜くときに傷口を広げてしまう。
そのため、未開の村では身体の到る所に痣ができていることも珍しくない。 
 
 きちんと消毒すれば、胞子は死ぬ。
野性味が強いが、食べても悪くない。 
 
 また、毒を吸い出すのに利用するという民間療法が伝わっている地域もある。 
 
  -  マントラップ
 
- 
 巨大な捕食性の植物。
比較的ハエトリグサの類に似ており、筋肉によって口に相当する器官を動かすことができる。
 
 
 湿地帯に生息し、近づくものは、人間だろうが動物だろうが片っ端から食い尽くす。
一度その葉に挟み込まれたら内部からの脱出は難しく、ゆっくりと消化されるのを待つのみとなる。 
 
 ある集落では、このマントラップを利用した狩猟を行っている。
獲物を捕らえたマントラップに遠距離からロープをくくり付けた矢を射ち込み、
そのロープを村中の男や家畜までも動員して引っ張り、
マントラップごと捕獲してしまうのである。 
 
    
 
その他
 -  エミュレータ
 
- 
 全長数[cm]から、大きなものでは数十[cm]、ときには1[m]を越すこともあるという、
グネグネとして透き通った不定形生物。
とある峡谷地帯を中心としたごくわずかな範囲にのみ生息し、
基本的にそれ以外の地域で見かけられることはない。
別名スライム。
 
 
 一種の寄生生物であり、生体に触れると酸を分泌し、表面を溶かしながら奥に潜り込もうとする。
そして、ある程度まで犠牲者の体内に潜り込むことに成功すると、犠牲者の遺伝情報を読み取り、
自己の身体を本来そこにあったはずの器官そっくりに変形させる。
これが済むと、エミュレータは犠牲者の身体と一体化し、
外面からではまるで見分けがつかないというだけでなく、
免疫システムすら自己の一部と見なすようになってしまうのだ。
これが、エミュレータと呼ばれる所以である。 
 
 完全に一体化すると犠牲者の意識からはわからなくなってしまうが、
実はその間にも、新陳代謝を繰り返すごとにエミュレータは徐々に自己の占める範囲を広くしていっている。
そして、ある日、突然に一個の生物として動き出すのだ。 
 
 初期の内なら火と近づければ逃げて行くため、十分な準備と注意をしておけば怖れることはない。
万が一、完全に一体化してしまった場合は、その場所をよく覚えておくことだ。
火傷するぐらいに火であぶれば、元の姿に戻って逃げ出して行くからだ。
ただし、少しでも残っていればそこからまた大きくなるかもしれないから、注意が必要である。 
 
 ちなみに、宿主と一体化している分、負担も負うことになるので、
宿主が衰弱したり死んだりすると逃げることも出来ずに、
諸共に死んでしまうという弱点がある。 
 
   
 
 
戻る
 |