フィジカル〔Physical〕

基本攻撃属性:オーラ


2004/02/11


スタイル解説

 己の肉体をもって戦うことを選んだ者。

 金がなかったのか、機会がなかったのか、 あるいは、嫌いだったのか、それはわからない。 とにかく、彼らは強くなる手段として、 体を改造することではなく、自らの意思で鍛え上げることを選んだのだ。

 力も、スピードも、機械の体にはとうてい勝てやしない。 超能力が使えるわけでもない。 素は、ただの人間でしかない。

 だが、本当の強さとは何なのか、それを最も良く理解し、 体現しているのが彼ら、フィジカルなのかもしれない。

特殊能力:気〔Aura〕

 全ての人間が持つ物、しかし、ほとんどの者は存在すら気づけない物。 フィジカルと普通の人間を分かつ最大の要素は、「気」である。
 フィジカルとは、意識的にせよ無意識的にせよ、 気を生み出し、操る技術を持ち得た者のことなのである。

 かつては、気を使う者こそが最強であったという。 昨今では科学によって脇へ押しやられているが、 その力は、決して失われてはいない。 真に気を使う者は、戦車すら素手で引き裂くのだ。


特技

◎ボディコントロール[Body Control]

  • 種別:常動
  • 代償:なし
 自分の身体こそ、最高の下僕である。 鍛え上げた肉体の隅々まで意志を行き渡らせ、支配する。 そうしたフィジカルの動きは美しく、軽やかである。

 この能力を持つ者は、 肉体を使った行動のセーフティランクが$+1$される。 研ぎ澄まされた神経は、 極限状態においても己の肉体をコントロールしきるのである。


○徹(とおし)

  • 種別:常動
  • 代償:なし
 練り上げた気を、攻撃に転じたもの。 素手で相手の身体に気を送り込むことによって、ダメージを与える。 これは、身体を内部から破壊し、 いかなる防具でも防ぐことはできないという。
 この能力を持つフィジカルの素手による攻撃は、 種別がオーラとなる。
 そして、“アーマー”によってダメージを肩代わりさせることはできず、 アタック減少の効果も受けない。


○点(てん)

  • 種別:武装(無制限)
  • 代償:スタミナ(減少分)
 相手の動きを、気の流れを、 それに物体の弱点を「点」で見抜き、貫く攻撃法。 この攻撃の前には、すばやい動きも、まやかしも見切られ、 硬い盾も、バリアすらも貫かれるという。

 この能力を持った攻撃に対する防御は、〈ガード〉を半分として扱う。


○流(ながれ)

  • 種別:防御
  • 代償:スタミナ(2点ずつ)
 相手の動きを、気の流れを、 それに攻撃の意思を「波」で感じ取り、回避する防御法。 どんなにすばやい動きも、するどい攻撃も見抜かれ、 やすやすと避けられるという。

 防御時に宣言することにより、 スタミナを消費した分だけ、 防御に振るダイスを増やすことができる。
 ただし、これによってパワーランクが上下することはなく、 また、増やせるダイスの最大数は、 防御時のパワーランクまでである。 (要するにダイスを倍にするのが限界)


○硬(こう)

  • 種別:防御
  • 代償:スタミナ(増加分)
 気の力で身体を硬化させ、相手の攻撃を防ぐ防御法。 全身に気をめぐらせることにより、 筋肉は鋼のように硬くなり、攻撃を弾くという。

 防御時に宣言することにより、 〈ガード〉の値を1.5倍することができる。
 ただし、この技を使用したときには、 どんなに高い達成値を出しても、 必ず攻撃を食らってしまうという弱点がある。


○不動(ふどう)

  • 種別:常動
  • 代償:なし
 肉体と共に、精神をも鍛えることに成功したフィジカルの持つ技。 強い意志と頑強な精神は、半端な圧力や惑わしはもちろん、 マインドの術すら耐えるという。

 この特技を修得している者は、 精神的な動揺によるセーフティランクのペナルティを無視することができる。 当然、脅迫や虚偽によってペナルティを受けることもなく、 また、マインドの特技によるペナルティや、 能力値修正も無効化する。


○察気(さっき)

  • 種別:宣言
  • 代償:なし
 目を閉じ、意識を集中し、周囲の空気の流れ、物音、気配などを感じ取る。 それにより、視覚に頼らずに生物などの存在を知覚できるという。

 知覚判定を行うときにこの特技を修得していると、 闇の中でも、物理的に見えない状態でも、対象を見つける可能性がでてくる。 また、視覚によるどんな悪条件も無視して、戦闘が行える。

 この特技は、環境や他の特技による不利な修正を無視する。


○韋駄天(いだてん)

  • 種別:常動
  • 代償:なし
 全身に気をめぐらせ、 それを周囲に同調させることによって環境と一体化することができたとき、 風に乗って疾り、水を蹴って駆け、木々も軽々飛び越える、 そんな走行術を獲得できるという。

 この技を修得すると、移動力は通常の倍になり、 崖や川、森などの難所を普通に移動できるようになる。 戦闘においては、どんな悪路でも不利になることがなく、 また、逃亡するときや妨害するときの判定において、 パワーランクの1.5倍のダイスを振ることができる。


○隠(おん)

  • 種別:宣言
  • 代償:倍ダメージ
 どんな人間でも、無意識のうちに、身体には常に気が循環している。 これが、俗に言う気配となって、周りに気取られる要因となる。 裏を返せば、意図的に気の流れを止めることができれば、 気配は完全に消えうせ、時には、 目の前に立っていても気づかなくなるという。

 この技を持っていると、遮蔽物の全くない所でも、 それどころか相手の目の前でも、姿を消し、 隠れることができるようになる(要隠密判定)。
 ただし、残念ながら科学的なセンサーをごまかすことはできない。 また、使用中は無防備になるため、万が一にも 攻撃を受けると、通常の倍のダメージを受けてしまう。

 この特技による隠密に対する知覚は「不利」になる。


○縮地(しゅくち)

  • 種別:宣言
  • 代償:スタミナ(増加分/ラウンド)
 縮地とは、先の空間を引き寄せることによって距離を縮め、 高速で移動すると言われた、伝説の歩行術のことである。 とは言っても、ここでは、そんなおとぎ話のような代物ではない。 この世界で縮地と呼ばれるものが縮めるのは、体内の時間である。 アドレナリンを分泌し、神経を限界まで研ぎ澄ませることにより、 人の限界をはるかに超えた反応速度を得ることができるのである。
 ただし、この技は人体に負担をかけるため、 長時間の使用は命に関わるという。

 オープンフェイズに宣言すると、それ以後の〈リフレクス〉が1.5倍される。 しかし、身体に負担がかかるため、ラウンドエンドに、 〈リフレクス〉の増加分だけスタミナを消費してしまう。


○癒(いやし)

  • 種別:判定
  • 代償:なし
 気の流れは、生命の流れである。 気流をコントロールし、正しい経路に適切な量を流し、 循環させることで、疲れや傷を癒すことができるという。

 戦闘中に、スタミナを回復させることができる。 自分の行動として判定を行い、 パワーランクの2乗だけスタミナを回復させる。

 また、負傷した直後で、 落ち着いて手当てをほどこせる状況ならば、 負傷ランクを1段階、下げることもできる。 そのためには、 負傷ランクの倍のパワーランクが 必要になる。


○玉砕(ぎょくさい)

  • 種別:宣言
  • 代償:命
 玉となって砕け散る、フィジカルの最終奥義にして、愚か者の技。 己の命を最後の一滴まで力に変え、放出し続ける。 あるフィジカルがこの技を使った結果、 その姿はさながら鬼神のようになり、 100の機械兵を相手に、勝利を収めたという伝説もある。 そして、全ての敵を破壊しつくした瞬間、立ったまま絶命したという。

 この技の使用を宣言すると、 スタミナが0になっても気絶しなくなる。 しかし、代償として、戦闘終了と同時に、必ず死亡する。



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